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社団法人日本観光旅館連盟 平成21年度事業計画
 観光庁の設立により観光立国の実現に向けての体制が整備されたことは、宿泊業界にとって、大変心強いところではあるが、昨年後半から世界同時不況、特に金融恐慌という極めて厳しい環境にある現在、度重なる政府の中小企業に対する金融支援策が講じらているが、既に過剰債務を抱える宿泊産業においては、金融機関からの融資を得ることが極めて厳しい状況に陥っている。
 旅館業界にとっては本年が試練の場であり、これまでの経営方針、取引慣行におけるしがらみや業界の横並び意識といった古い体質を払拭した、発想の転換による大胆な変革(チェンジ)をしなければならない時を迎えている。

 このような中で、観光庁が1月末に発表した「観光庁アクションプラン」では、2010年度までの具体的な観光振興策として7項目(インバウンドの推進、アウトバウンドの推進、国内観光旅行の振興、国際会議の誘致開催、観光産業の国際競争力の強化、観光統計の充実、観光庁ビジョンの実現に向けて)を整理した。 特に、観光産業の振興及び国内観光振興策として「宿泊産業の活性化に関する懇談会」の開催、「国内観光旅行の振興に関する連絡会議」を開催し、具体的なプロジェクトを策定する等、積極的な観光振興方策を講じようとしているので、宿泊業界としてもこの動きをしっかりと捉える必要がある。
 したがって、平成21年度においては、観光庁の観光振興の各種施策に対応できる体制を整備することとし、そのために次の3項目を重点とした事業活動を展開することとしたい。

第一は、宿泊産業の活性化及び国内観光振興策の推進。
 観光庁が主催するインバウンド振興策、宿泊産業活性化方策、国内旅行振興策の推進策及び税制改正の検討に積極的に参加し対応策を講じていくとともに、JATA(日本旅行業協会)が主催する「国内宿旅拡大計画」等に積極的に協力することにより、国内宿泊旅行を促進する。
 また、企業再生問題に関しては、現在、川野雅之先生に加えて「有限責任中間法人事業再生支援協会」(日観連会員相談窓口:立川昭吾先生・理事)にも会員から相談を受けていただくこととする。

第二は日観連ホームページ「やど日本」の活用。
 日観連会員施設にはそれぞれ個性と特色があるので、各々の魅力を積極的に情報発信していくことが極めて重要であることから、全会員のインターネットからの予約を増加させるためには、全会員の情報提供の場である日観連ホームページ「やど日本」の更新、会員施設情報の充実、検索機能の拡充、地球に優しい宿の情報発信(エコへの取組情報の発信)、会員やどのブログや旬の味の活用、クイズアンケートによる消費者ニーズの把握、会員向けメールマガジンの発行など、全会員の協力による各コンテンツの充実を図り、以て「やど日本」の利用の増加を図っていくこととする。

第三は、日観連そのものの宣伝。
 ホテレス、旅フェアー等のイベントに参加するとともに、セミナー開催、クイズ・アンケートの実施、商談会への参加、外国旅行雑誌へのアプローチ等のあらゆる機会を通じて、安心、安全、快適な宿を提供する日観連会員の宣伝を行うこととする。
 また、国観連との合併問題については、少し時間がかかってもその実現に努力することとし、今後は次世代を担う若手経営者も交えてこの問題に取り組んでいくこととし、前年度に引き続き日観連独自の事業計画を策定することとする。

1.施設サービス向上改善事業
(1)「企業再建コンサルタント」による相談業務の実施
 当連盟の企業再建問題専門委員である企業再建コンサルタントの川野雅之先生及び、全国の企業再生の実務に携わる専門家の英知を集めて活動されている有限責任中間法人事業再生支援協会の立川昭吾先生(株式会社TSKプランニング 代表取締役)のご協力をいただき、日観連企業再生支援問題に関する指導をお願いするとともに、会員からの個別相談に対応いただくこととする。
(2)顧問弁護士による法律相談の実施
 会員施設において惹起された法律問題等に対しては連盟顧問弁護士である白石光征弁護士(第2東京弁護士会所属)に相談し、問題解決を図っていくこととする。
(3)安全総点検の実施
 利用者の安全性の確保と事業者としての安全管理、危機管理意識の高揚のため、観光庁が主唱する「年末・年始の安全総点検」を実施するとともに、春秋の防火安全週間時に自館の防災設備の安全管理体制の総点検を呼び掛けることとする。
(4)食中毒予防対策として清浄度検査装置の導入推奨
 宿泊客の安全確保の観点から食中毒予防策として、キッコーマン㈱が開発した新型清浄度検査装置「ルミテスターPD-20」の購入斡旋及び予防策について情報提供を行うこととする。
(5)国際観光ホテル整備法に基づく上申事務の実施
 会員よりの国際観光ホテル整備法に基づく新規登録申請及び変更・承継・抹消手続等の各種届出の登録実施機関への申達を行うこととする。
(6)機関誌(やど日本MAGAZINE)の発行
 連盟と全会員とを直接つなぐ唯一のパイプ役の機能を果たす機関誌として、会員情報をはじめ、組織内の活動状況、経営上の参考となる資料や情報、国や行政機関からのお知らせなどを掲載し、その内容の充実に努めることとする。
2.旅客接遇向上改善事業
(1)外客受入研修会に対する支援活動の推進
 外客受入の促進を図るため、支部又は連絡会等で開催する外客受入研修会に、訪日外客を積極的に受け入れている経営者を講師として派遣する他、観光庁、JNTO(日本政府観光局)等の協力を得ながら、外客受入の推進について会員啓蒙を図ることとする。
(2)クレジットカード加盟店手数料の低率化の推進
 三菱UFJニコス㈱との合意により、日観連を窓口に同社と加盟店契約を締結した会員は、NICOSカードの加盟店手数料率が2.8%になっている。この手数料率の適用を受ける要件として加盟店契約を日観連を窓口にした契約に切り替える必要があること、契約切換とともに三菱UFJニコス㈱からキャット(端末機、無料)を導入し、ニコスカード以外でもVISA及びマスターカードとの提携カードであれば、このキャットを通すことにより2.8%の手数料率が適用されるので、会員に対し現在のクレジットカード加盟店契約を確認し、契約切換を必要とする場合は、日観連に連絡するよう呼び掛けを行う。
 また、引き続き三菱UFJニコス㈱および他のクレジットカード会社と手数料率の低率化に向けた交渉を行うこととする。
(3)ギャランティー・リザベーション制度の導入推進
 三菱UFJニコス㈱との協議の結果、海外旅行会社からのFIT送客に際して、海外発行のVISA・マスターカードを利用してのカードなし(非対面)決済システムの運用が出来るようになった(取扱手数料は2.8%)。 また、海外旅行会社、海外からの個人旅行者とのカード決済〈非対面決済(カードなし)〉においても、宿泊予定当日に連絡なく不泊が生じた際には、日観連本部を通して、No Show Charge(ギャランティー・リザベーション)を請求する手続き(取扱手数料は4.0%)を行う事ができるので、会員に対して、この制度の周知を図り導入促進を行うこととする。
(4)旅客からの苦情申告に対する所要措置の実施
 会員施設への利用者からの苦情申告に対し、会員所属支部長に対して実情調査を依頼するなど、所要の措置を講ずることとする。
(5)旅館賠償責任保険への悉皆加入の徹底
 会員資格基準規程で加入が義務付けられている旅館賠償責任保険への会員の悉皆加入を達成することとする。
3.調査研究事業
(1)四季別営業概況調査の実施
 全国の会員施設を対象に、四季毎の宿泊客1人当たりの総宿泊単価額、同1人当たり宿泊単価額、四季毎の定員稼働率を検出し、前年同期の実績値と比較し、その伸び率を検出する四季別営業概況調査を本年度も継続して実施することとする。本調査の結果は、観光庁を始め関係機関及び業界紙各紙に資料提供を行うこととする。
(2)電力・燃料類の年間消費量調査の実施
 地球温暖化防止のため、温暖化の原因物質のCO2の削減が求められており、当連盟が策定した削減のためのボランタリープラン(電力消費量を1999年を基準年とし2010年に4%削減)の進捗状況を検証するため、年間電力消費量のみならず燃料、上水道の消費量等の調査を行うこととする。
(3)その他
 国土交通省が平成19年1月から3ヶ月毎に年4回全国ベースで実施している「宿泊旅行統計調査」に全面協力するのを始め、関係省庁及び関係団体からの調査依頼に対しできる限りの協力を行うこととする。
4.周知・宣伝事業
(1)連盟HP「やど日本」のリニューアルの推進
 会員施設詳細ページの内容変更、ご自慢の「おすすめのお食事(夕食・旬の食材)」や「オリジナルメニュー」のレシピの登録、会員施設の画像やファイルの登録(e-DataBank)、自館のブログを『やど日本』の施設詳細ページに掲載することを会員が直接行うことが可能な会員施設管理機能の活用により最新の情報を発信するなど、本サイト利用者にとって使い勝手が良く、会員にとってメリットあるものとしていくこととする。
 また、本サイト利用者の増加を図るため、会員ホームページのトップ画面に「やど日本」をリンクして貰うことを積極的に推奨し、「やど日本」の宣伝を行って貰うことにより、全体的に「やど日本」のアピール度を押し上げることとする。
 注)会員施設のホームページへ直接リンクがされているポ-タルサイト(ヤフー等の検索サイト)は「やど日本」が最大級です。国内旅行や宿泊関連エージェントのホームページはほとんど会員施設のホームページのリンクはされていません。
(2)「日観連やど日本・英文サイト」参加施設の増強
 「やど日本・英文サイト」への参加を呼び掛け、英文サイト登録会員の情報を、「トラベルマート商談会」において活用するとともに、JNTO(日本政府観光局)に提供し、海外からの予約機会の拡大を図ることとする。
(3)「旅フェア2009」に出展、商談会に参画
 平成21年5月29日(金)~31日(日)の3日間パシフィコ横浜で開催される「旅フェア2009」に実行委員会の一員として参画するほか、日観連として独自に出展するとともに、5月28日(木)~29日(金)の2日間に併設される海外旅行エージェントとの商談会に参加し会員施設の紹介に努めることとする。
(4)海外の日本紹介ガイドブックの取材に協力
 会員施設が英国の個人旅行者向け日本紹介ガイドブック「Rough Guide(ラフガイド)」の取材に協力したことにより、記事掲載と日観連の宣伝広告ができたことから、この種の雑誌社等からの取材協力要請には極力協力することとする。
(5)JTB時刻表への会員施設案内広告の掲載
 全会員の広告宣伝を行うため、年間掲載料5,000円(JTB協定旅館・ホテルを除く)によりJTB時刻表への会員施設案内広告の掲載を継続実施することとする。
5.従業員資質向上事業
(1)会員従業員、事務局職員に対する会長表彰の実施
 本部通常総会を開催する平成21年6月2日付け(通常総会開催日)をもって、会員従業員、事務局職員に対する会長表彰を実施することとする。
(2)「女将」に対する会長表彰の実施
 平成21年6月2日付けをもって、会員女将に対する会長表彰を実施することとする。
(3)支部役員に対する会長表彰の実施
 平成21年6月2日付けをもって支部役員に対する会長表彰を実施することとする。
(4)叙勲、褒章、国土交通大臣表彰候補者の上申
 叙勲、褒章、国土交通大臣表彰の候補者を国土交通大臣に上申することとする。
(5)全国旅館業厚生年金基金の継続
 業界の福利厚生施策である本基金について、より良き方向性を引き続き検討することとする。
6.支部組織再編の推進
 運輸局ベースでの9支部体制への再編に向けて関係支部間での調整を積極的に図っていくこととする。
7.関係団体との連絡協調事業
(1)平成22年度税制改正要望
 日観連独自の税制改正要望とりまとめに並行して、関係宿泊団体が結束して税制要望について協議し、その対応を検討し、平成22年度税制改正要望としてとりまとめ、関係方面に働きかけることとする。
(2)第38回「国際ホテル・レストラン・ショー」の主催
 平成22年2月23日(火)から26日(金)まで開催予定の「HOTERES JAPAN 2010 」及び3月2日(火)から5日(金)開催予定の「FOODX JAPAN2010」の主催者団体の一員として、企画段階から事業推進に参画することとする。
(3)会員のNHK受信料のとりまとめ
 会員のご協力を得て、NHKから日観連が会員の放送受信料の取次・収納業務を受託することにより、会員の受信料軽費の負担軽減を図ることとする。
(4)「国内観光旅行の振興に関する連絡会議」等への参加
 観光庁、(社)日本観光協会、(社)日本ツーリズム産業団体連合会が事務局となって運営する「国内観光旅行の振興に関する連絡会議」に参加し、国内観光旅行の振興の取組について、参加団体との情報共有・連携を図ることとする。
(5)観光分野の人材対策事業の実施等について
 観光庁が中小企業庁と連携して観光分野における人材を育成するための実践型研修を中心とした事業を支援することから、おもてなし研修等の旅館業における人材育成関係事業の実施に取り組んでいくこととする。
(6)「国内宿旅拡大連絡会議」に参加
 (社)日本旅行業協会が主催する「国内宿旅拡大計画」に協賛し、国内旅行振興とりわけ宿泊客増大のための諸活動に協働して取り組んでいくこととする。
(7)旅館三団体協議会及び全国旅館政治連盟事業の推進
 旅館・ホテル業界の懸案事項について、旅館三団体が結束協議して問題解決を図ることとする。
(8)観光立国関係施策の推進
 観光立国を目指し官民挙げて取組むビジット・ジャパン・キャンペーンの推進及び「YOKOSO! JAPAN WEEKS 2010」の実施について、VJC実施本部の構成員として事業推進に協力することとする。
(9)「JNTO台湾訪日市場振興支援特別事業」に参画
 JNTO(日本政府観光局)が推進する本支援特別事業に参加することとする。
(10)「観光関係団体会長連絡会議」に参画
 観光立国推進基本法の施行に伴い、観光関係団体の連携を深め、観光立国に向けて意見交換を行うための本連絡会議に参加することとする。
(11)観光ポスターコンクールに協賛
 (社)日本観光協会主催の本コンクールに協賛し、審査員を派遣するとともに日観連会長賞を提供することとする。
8.保険事業
 会員の経営の安定を図るため、旅館賠償責任保険への悉皆加入の徹底を図るとともに、任意加入の食中毒休業補償保険、災害費用保険、労災上乗せ補償保険、傷害保険、マネーガード保険、駐車場保険、機械設備総合補償プラン、消毒費用カバー保険、仕出し弁当業務カバー保険等に加入することの有効性について周知に努めることとする。